Credit: NRAO/AUI/NSF
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ngVLA(next generation Very Large Array: 次世代大型電波干渉計)は、合計263台のパラボラアンテナを北米全域に分散させて設置し、最大で口径が約9000キロメートルに相当する巨大な電波望遠鏡を実現しようという次世代の大型電波望遠鏡計画です。
21世紀の天文学の一翼を担う次世代計画
1980年代、米国にVery Large Array (VLA)と呼ばれる電波望遠鏡が建設されました。約50年が経過した現在でも現役で活躍しており、これまでに数多くの研究成果が生まれています。VLAは口径25メートルのアンテナ27台で構成されており、干渉計技術を用いて各アンテナからの信号を結合して、あたかも一つの巨大な電波望遠鏡であるかのように動作します。ngVLA計画は、このVLAのあとを受けて、はるかに高性能な電波望遠鏡を建設するものです。
ngVLA計画では、アメリカ・ニューメキシコ州(現在VLAが設置されている地点)を中心に、北はカナダとの国境に近いワシントン州から、南はカリブ海のバージン諸島、西は太平洋のハワイから東は東海岸のニューハンプシャー州にまで至る地域に合計263台の電波望遠鏡を設置して、最大で8,860キロメートルもの口径をもつ電波望遠鏡として動作させます(現在、メキシコやヨーロッパにも一部のアンテナを配置し、さらに巨大な口径を実現する補助計画も検討中です)。宇宙からやってくるミリ波帯からセンチ波帯(波長3mmから20cm)までの比較的長い波長の電波を、これまでの望遠鏡を圧倒する高感度・高解像度で捉えることにより、宇宙の謎の解明に挑みます。特に、138億年の宇宙の歴史の中で、生命が存在する条件がどのように整えられ進化してきたのか、という人類の究極的な問いに対する知見を得ることが期待されています。

2040年代の本格運用に向けて
2015年より、アメリカ国立電波天文台 (National Radio Astronomy Observatory = NRAO) 主導のもと、ngVLAが目指す科学目標が本格的に議論され、具体的な装置の仕様が検討されてきました。2030年代前半に建設開始、2040年代からの本格運用開始を予定しています。
ngVLAは天文学コミュティーの中でも、次世代の天文学を担う重要計画の一つとして注目を集めており、日本国内の研究者コミュニティからも高い支持を得ています。現在、日本では国立天文台と研究者コミュニティが協力して、このプロジェクトへの参画を、科学・技術の両面から検討している段階です。

ngVLAについてさらに詳しく
ngVLAについてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参照してください。